「今の塾だけで大丈夫かな」「苦手科目だけ別の塾に通わせたいけど、掛け持ちって効果あるの?」。受験が近づくにつれて、こうした悩みを抱える保護者の方は増えてきます。
この記事では、塾の掛け持ち(併塾)のメリットとデメリットを本音でお伝えしつつ、失敗しないための具体的なポイントを解説します。
先にお伝えすると、塾の掛け持ちは「目的が明確であればアリ、なんとなくの不安で増やすのはNG」です。うまく使い分ければ成績アップにつながりますが、やり方を間違えると逆効果になるケースも少なくありません。

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塾を掛け持ちするメリット
科目ごとに最適な指導を受けられる
塾にはそれぞれ得意分野があります。たとえば、英語に特化した塾で語学力を磨きながら、数学は個別指導塾でじっくり学ぶという使い分けは効果的です。1つの塾ですべての科目をカバーするよりも、各科目に特化した指導を受けられるのが大きなメリットです。
受験情報を多角的に得られる
複数の塾に通うことで、それぞれの塾が持つ受験情報や過去問データを活用できます。特に中学受験や高校受験では、志望校ごとの対策情報を多く持っていることが合否を分けることもあり、情報量が増えるのは大きなアドバンテージです。
異なる学習環境で刺激を受けられる
1つの塾に通い続けると環境に慣れてしまい、緊張感が薄れることがあります。掛け持ちすることで、異なる講師の教え方や仲間との交流が刺激となり、学習意欲が維持しやすくなります。
自習室を複数利用できる
塾によっては自習室を会員向けに開放しています。掛け持ちすれば複数の塾の自習室を利用できるため、家では集中できないお子さんにとっては学習環境を確保するメリットがあります。逆に言えば、家の机に卓上パーテーションを立てるだけでも「自習室に近い感覚」は作れます。
掛け持ちが効果を発揮するのは「集団指導塾+個別指導塾」「集団指導塾+専門塾」のように、異なるタイプを組み合わせた場合です。
塾を掛け持ちするデメリット
費用が大幅に増える
塾の掛け持ちで最も気になるのが費用面です。2つの塾に通えば月謝は単純に倍近くになり、教材費や季節講習費も塾ごとにかかります。年間の教育費が100万円を超えるケースも珍しくないため、家計への負担を慎重に検討する必要があります。
学習量が増えすぎて消化不良になる
2つの塾からそれぞれ宿題が出ると、お子さんの学習量は膨大になります。塾の宿題をこなすだけで手一杯になり、復習の時間が取れずに定着しないという本末転倒な状態に陥りがちです。両方の宿題と復習を1冊のプランナーに書き出しておくと、抱えている量が目に見えるようになります。
指導方針の違いで混乱する
塾によって解法のアプローチや指導方針は異なります。同じ科目を2つの塾で習うと、「こっちの塾ではこう教わったのに」とお子さんが混乱し、かえって理解が遅れるリスクがあります。
体力的・精神的な負担が大きい
通塾の移動時間を含めると、掛け持ちはお子さんの自由時間を大幅に削ります。特に部活動と両立しているお子さんの場合、睡眠時間の確保が難しくなり、体調を崩す原因にもなりかねません。2つの塾のテキストを持ち歩くと荷物も重くなるので、背負いやすいリュックに替えている家庭もあります。

掛け持ちが効果的なパターン・逆効果なパターン
効果的なパターン
- 集団指導塾+苦手科目だけ個別指導:メインの塾でペースを掴みつつ、弱点を個別指導で補強
- 総合塾+英語専門塾:5教科は総合塾で、英語だけ専門的に伸ばしたい場合
- 集団指導塾+オンライン塾:通塾の負担を増やさずに学習量を確保できる
- 受験直前のスポット利用:志望校対策だけ短期で別の塾の講座を受ける
逆効果になりやすいパターン
- 同じタイプの集団指導塾を2つ:指導の重複が多く、お金と時間の無駄になりがち
- 同じ科目を2つの塾で受講:解法の違いで混乱する
- 本人の意思がないのに保護者の判断で増やす:モチベーション低下の原因に
- 「不安だから」という理由だけでの掛け持ち:目的が不明確だと効果が出にくい
同じ科目を2つの塾で習うのは避けましょう。解法や指導方針の違いがお子さんの混乱を招きます。掛け持ちするなら「科目を分ける」のが基本です。
掛け持ちで失敗しないための5つのポイント
1. 目的を明確にする
「なぜ掛け持ちが必要なのか」を明確にしましょう。「苦手な数学を個別で補強したい」「志望校の過去問対策が必要」など、具体的な目的があれば効果を出しやすくなります。
2. お子さんの意見を聞く
保護者の不安だけで塾を増やすのではなく、お子さん自身が「もっとやりたい」と思っているかを確認してください。本人のやる気がなければ、どれだけ環境を整えても成果にはつながりません。
3. スケジュールに余白を残す
塾の授業で毎日埋まっているようなスケジュールは危険信号です。復習や自主学習の時間、休息の時間を確保できるよう、週に最低1日は「塾のない日」を設けることをおすすめします。2つの塾の予定を壁掛けホワイトボードに書き出しておくと、空いている日が一目でわかります。
4. トータルコストを事前に計算する
月謝だけでなく、教材費・季節講習費・模試代を含めた年間の総費用を計算しましょう。想定以上の出費になってから慌てないよう、家計のシミュレーションは必須です。教育費の欄を設けた家計簿に書き出しておくと、増えた分がどこに効いているか確認しやすくなります。
5. 定期的に効果を振り返る
掛け持ちを始めて2〜3か月経ったら、成績の変化やお子さんの様子を振り返りましょう。効果が見られない場合は、掛け持ちの方法を見直すか、1つに絞ることも選択肢に入れてください。

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掛け持ちの代わりに検討したい選択肢
オンライン塾を活用する
通塾の移動時間がゼロになるオンライン塾は、掛け持ちの代替案として有力です。自宅から受講できるため、体力的な負担を増やさずに学習量を確保できます。
オンライン塾の特徴やメリットについては、以下の記事も参考にしてみてください。
オンライン塾のメリット・デメリット|対面塾との違いを本音で比較
通信教育を併用する
メインの塾はそのままに、苦手科目だけスタディサプリなどの映像授業で補う方法です。月額2,000円台から利用でき、費用負担は塾の掛け持ちよりも大幅に軽いのが魅力です。映像授業で理解したあとの演習用に、市販の問題集を1冊そろえておくとムダなく回せます。
塾と通信教育のコスト比較については、こちらの記事で詳しく解説しています。
塾と通信教育はどっちが安い?費用を比較してわかるお金の賢い使い方
よくある疑問Q&A
Q. 掛け持ちは塾に報告すべき?
基本的にはどちらの塾にも伝えておくのがおすすめです。掛け持ちしていることを伝えれば、宿題の量を調整してくれたり、カリキュラムの重複を避ける提案をもらえたりすることがあります。「掛け持ちしています」と伝えることに遠慮する必要はありません。むしろ、情報を共有することでより適切なサポートを受けやすくなります。
Q. 掛け持ちの期間はどのくらいが適切?
目的によって異なりますが、受験直前の短期集中で利用するなら3〜6か月程度、苦手科目の克服が目的なら半年〜1年程度が一般的です。漫然と続けるのではなく、「いつまでに何を達成するか」を明確にして期限を決めておくのが効果的です。成果が出たら1つに戻すことも含めて検討しましょう。
Q. 掛け持ちしたら成績は上がる?
掛け持ち=成績アップとは限りません。掛け持ちで成績が上がるのは、「それぞれの塾の役割が明確で、復習時間も確保できている」場合です。逆に、授業を受けることに時間を取られて復習ができなくなると、どちらの塾の内容も定着しないまま時間だけが過ぎるという事態に陥ります。「量を増やす」よりも「質を高める」意識が大切です。
Q. 個別指導塾2つの掛け持ちはアリ?
個別指導塾同士の掛け持ちは、科目が異なればアリです。たとえば「A塾で数学」「B塾で英語」という使い分けなら、それぞれの講師の専門性を活かせます。ただし同じ科目を2つの個別指導塾で習うのは、指導方針の違いでお子さんが混乱するリスクが高いので避けたほうが無難です。
まとめ
塾の掛け持ちは、目的が明確で科目を分けるなどの工夫があれば効果的な学習戦略になります。一方で、「なんとなく不安だから」という理由で増やすと、お金も時間も消耗するだけの結果になりかねません。
まずは今通っている塾の活用法を見直し、それでも補えない部分がある場合に掛け持ちを検討するという順番で考えるのが賢明です。オンライン塾や通信教育という選択肢も視野に入れながら、お子さんに合った学習環境を整えてあげてください。

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