英検を受けようと思って調べると、「従来型」と「S-CBT」の2つの受験方式があることに気づくはずです。どちらを選んでも取得できる級やCSEスコアは同じですが、試験の進め方や日程に大きな違いがあります。
「S-CBTって何が違うの?」「どっちを受けたほうがいいの?」と迷っている方のために、この記事では英検S-CBTと従来型の違いをわかりやすく整理し、目的やタイプ別のおすすめも解説します。

英検S-CBTとは
1日で4技能を測る試験
英検S-CBT(Speaking-Computer Based Testing)は、「読む・聞く・書く・話す」の4技能を1日で測定できる試験です。従来型のように一次試験と二次試験を別日に受ける必要がなく、1回の試験日で完結します。
対応している級
英検S-CBTで受験できるのは、準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級の5つの級です。1級・4級・5級はS-CBTの対象外なので、これらの級を受ける場合は従来型を選ぶことになります。
試験方式の特徴
S-CBTでは、スピーキングはヘッドセットを使った吹込み式(録音)で行います。リスニングとリーディングはPC画面上で解答し、ライティングは筆記型(手書き)またはタイピング型を選択できます。
ヘッドセットに向かって話す形式は、家で同じ環境を作って練習しておくと当日の違和感が小さくなります。自宅にマイク付きのヘッドセットが無い場合は、1つ用意しておくという手もあります。
S-CBTと従来型は出題内容・難易度・採点基準が同じです。取得できる級やCSEスコアも同様に扱われるため、どちらで合格しても英検の資格としての価値は変わりません。
従来型英検との5つの主な違い
1. 試験の日数
従来型は一次試験(筆記)と二次試験(面接)の2日程で実施されます。一次試験に合格した人だけが二次試験に進む仕組みです。一方、S-CBTは1日ですべてが完結します。忙しくて2回も試験日を確保できない方には大きなメリットです。
2. 実施頻度と日程の柔軟性
従来型の英検は年3回(第1回:5〜6月、第2回:10〜11月、第3回:1〜2月)の実施です。S-CBTは原則毎週実施されているため、自分の都合のよい日程を選んで受験できます。
3. 受験回数
S-CBTでは、同一級を同一検定期間内に最大3回まで受験できます。従来型と合わせると、1つの検定期間で同じ級を最大4回受けるチャンスがあります。「あと一歩で合格」という方は、受験回数を増やして合格可能性を高められます。
4. スピーキングの実施方式
従来型の二次試験は面接官との対面形式です。S-CBTではヘッドセットを使い、PCに向かって吹き込む形式になります。面接官と直接話すのが緊張するという方にはS-CBTが向いています。逆に、画面に向かって話すのが苦手な方は従来型のほうが力を発揮しやすいかもしれません。
5. 解答方式
従来型はマークシートと手書きで解答しますが、S-CBTはPC画面上での操作が中心です。ライティングに関しては、S-CBTでは筆記型(解答用紙に手書き)とタイピング型を選択できます。タイピングが得意な方はタイピング型を選ぶと入力速度の面で有利です。
どちらを選ぶにしても、英作文そのものの型を知らないと手が止まります。英検のライティングは出題形式が決まっているので、形式に合わせた問題集で書き慣れておくと当日の負担が変わります。

S-CBTのメリット・デメリット
メリット
- 1日で4技能を受験できるため、時間的負担が少ない
- 毎週実施で日程の柔軟性が高い
- 同一期間に最大3回受験可能
- ライティングでタイピング型を選べる
- 面接官との対面がないため、緊張しにくい人もいる
デメリット
- PC操作に慣れが必要(特に小中学生)
- 1級・4級・5級は受験不可
- スピーキングが吹込み式のため、対話のやり取りがない
- 試験全体が約2〜3時間で集中力が求められる
- 会場が限られる地域がある
このなかで自分で先に潰せるのは「PC操作の慣れ」です。とくにタイピング型でライティングを受けるつもりなら、ローマ字入力の練習を先に済ませておくと当日の不安がひとつ減ります。
従来型のメリット・デメリット
メリット
- マークシートと手書きで馴染みのある方式
- 二次試験は面接官との対面で、実際のコミュニケーション力が活かせる
- 全級対応(1〜5級すべて受験可能)
- 試験会場が多い
デメリット
- 一次・二次の2日程が必要
- 年3回しか実施されない
- 一次試験に落ちるとスピーキングの評価が受けられない
目的別おすすめ
大学受験・入試で使いたい方
大学入試で英検のスコアを活用する場合、出願期限までに必ずスコアを取得する必要があります。S-CBTなら毎週受験でき、同一期間に最大3回チャレンジできるため、期限に間に合わせやすいです。受験回数を増やしたい方にはS-CBTがおすすめです。
ただし受験回数を増やしても、出題形式に慣れていないと同じところで止まります。級別の過去問題集を1冊通しておくと、時間配分の感覚がつかめます。
小学生・中学生が初めて受ける場合
英検を初めて受ける小中学生には、従来型のほうが取り組みやすいケースが多いです。PC操作に慣れていない場合、S-CBTでは操作に気を取られて実力が発揮できないこともあります。また、4級・5級はS-CBTの対象外のため、従来型一択です。
忙しくてスケジュールが読めない方
部活や仕事で忙しく、試験日を2日確保するのが難しい方にはS-CBTが向いています。1日で完結し、日程の選択肢も多いため、自分の都合に合わせやすいです。
面接が苦手な方
対面での面接に強い緊張を感じる方は、S-CBTのヘッドセット吹込み式を試してみる価値があります。逆に、対面でのコミュニケーションのほうが話しやすいという方は従来型を選びましょう。

S-CBTと従来型の賢い併用戦略
しっかり合格を狙うならダブル受験
大学入試の出願期限までに英検を取得したい場合、S-CBTと従来型を併用するのが効果的な戦略です。例えば、まず従来型で1回受験し、不合格だった場合にS-CBTで追加受験するという流れなら、同一検定期間で最大4回の受験チャンスを確保できます。
受験の間隔が短いぶん、この期間にできる対策は語彙の底上げが中心になります。級別の単語帳を一冊決めて回すのが定番のやり方です。
S-CBTで「本番慣れ」してから従来型に挑む
逆に、S-CBTを先に受けて本番の雰囲気を体験してから、従来型に挑むという方法もあります。S-CBTは毎週実施されているため、「練習がてら1回受けてみる」という使い方もできます。
一次試験免除の活用
英検では、一次試験に合格して二次試験に不合格だった場合、次回以降の申請で一次試験が免除される制度があります。S-CBTでも同様の仕組みが適用されるため、一次試験に合格済みの方はスピーキングだけに集中して再チャレンジすることが可能です。
S-CBT受験時の注意点
本人確認書類が必須
S-CBTの試験会場では、試験当日に協会が定める顔写真付き身分証明書の原本提示が必須です。学生証、パスポート、マイナンバーカードなどを忘れずに持参しましょう。
筆記用具は会場で貸与
S-CBTでは筆記用具は会場にて一律貸与される仕組みです。自分の筆記用具を使うことはできないため、この点は事前に把握しておきましょう。
事前にPC操作に慣れておく
英検公式サイトには、S-CBTの体験版が公開されています。本番前に必ず体験版を試して、操作方法に慣れておくことをおすすめします。特にスピーキングの吹込み式は、初めてだと戸惑う方が多いです。ヘッドセットの使い方や録音開始のタイミングなど、事前に確認しておけば本番で焦らずに済みます。
体験版を試すときも、実際にヘッドセットを着けて声を出しておくと当日の感覚に近づきます。
試験時間に注意する
S-CBTは4技能を一気に受けるため、全体の試験時間は約2〜3時間です。途中休憩がないため、集中力を維持するための体力面の準備も大切です。前日は十分な睡眠をとり、試験前に軽い食事を済ませておきましょう。
よくある質問
Q. S-CBTと従来型、どちらが難しいですか?
A. 出題内容・難易度・採点基準は同じです。ただし、S-CBTはPC操作が必要なため、PCに不慣れな方は操作面でハードルを感じることがあります。
Q. S-CBTと従来型の両方を同じ期間に受けられますか?
A. 受けられます。同一検定期間にS-CBT最大3回+従来型1回で、合計4回の受験チャンスがあります。
Q. S-CBTの結果は大学入試で使えますか?
A. 使えます。S-CBTで取得した級やCSEスコアは従来型と同等に扱われるため、大学入試の出願にも利用可能です。ただし、大学によって求める級やスコアが異なるため、志望校の要件を確認してください。
Q. S-CBTの検定料は従来型と同じですか?
A. 検定料は級ごとに異なりますが、S-CBTと従来型で大きな差はありません。なお、検定料は年度によって変更される場合があるため、英検公式サイトで最新の情報を確認してください。
Q. S-CBTの結果はいつわかりますか?
A. S-CBTの結果は、受験日から約1か月後に英検ウェブサイト上で確認できます。従来型よりもやや早く結果がわかるため、大学入試の出願スケジュールを組みやすいというメリットもあります。
Q. S-CBTのライティングはタイピングと手書きどちらがおすすめですか?
A. タイピングに慣れている方はタイピング型のほうが入力速度の面で有利です。一方、普段から手書きで英語を書いている方は筆記型のほうが落ち着いて取り組めます。どちらを選んでも採点基準は同じなので、自分が書きやすいほうを選びましょう。
まとめ
英検S-CBTと従来型は、取得できる級やCSEスコアに違いはありません。どちらで合格しても資格としての価値は完全に同じです。大きな違いは「1日 vs 2日」「毎週 vs 年3回」「吹込み式 vs 対面面接」の3点です。
受験回数を増やしたい方、忙しくてスケジュールを確保しにくい方にはS-CBTがおすすめ。初めて英検を受ける小中学生や、対面面接のほうが話しやすい方には従来型が向いています。
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