「英語のリスニングが苦手で、何を言っているのか全然わからない」「テストのリスニングでいつも点を落としてしまう」。中学生からこうした悩みを聞くことは珍しくありません。
リスニングは正しい方法でトレーニングすれば、短期間でも目に見えて伸びやすいスキルです。ただし、やり方を間違えると時間だけが過ぎてしまうことも。この記事では、中学生が英語のリスニング力を着実に伸ばすための具体的な勉強法を、ステップごとに解説します。

リスニングが苦手な中学生に共通する原因
単語の発音を正しく覚えていない
英単語をスペルと日本語訳だけで覚えていると、実際の発音を聞いたときに「知っている単語なのに聞き取れない」という状態になります。単語を覚えるときに、必ず音声を聞いて発音を確認することが大切です。
英語のスピードについていけない
中学の教科書の音声はゆっくりめに話されていますが、実際のテストや高校入試のリスニングはもう少し速くなります。普段からナチュラルスピードの英語に触れていないと、本番で戸惑うことがあります。
「聞き流し」だけで終わっている
BGMのように英語を流しているだけでは、リスニング力は伸びません。意識的に「何を言っているか」を聞き取ろうとする姿勢がないと、耳は英語をただの音として処理してしまいます。
リスニング力を伸ばす5つのステップ
ステップ1:単語の正しい発音を覚える
リスニングの基礎は語彙力です。教科書の新出単語は、必ず音声を聞いてから覚えましょう。単語帳に付属の音声やアプリを活用して、「目で見る」「耳で聞く」「口に出す」の3つをセットにするのが効果的です。
手持ちの単語帳に音声が付いていない場合は、音声ダウンロードやCDが付属した中学生向けの単語帳に切り替えるという手もあります。発音を確認しながら覚える流れを最初から作れます。
特に注意したいのが、英語特有の音の変化です。
- リンキング:単語と単語がつながって聞こえる現象(例:check it out → チェキラウト)
- リダクション:弱く発音される音が消える現象(例:good morning → グッモーニン)
- フラッピング:t の音が d のように聞こえる現象(例:water → ウォーダー)
ステップ2:ディクテーションで精密に聞く
ディクテーション(書き取り)は、リスニング力を大きく伸ばす練習法です。音声を聞いて、聞こえた英語を書き取ります。
最初は短い文から始めましょう。1文を何度か聞いて書き取り、スクリプト(原文)と照らし合わせて答え合わせをします。聞き取れなかった部分こそが「自分の弱点」なので、そこを重点的に復習しましょう。
ディクテーションは音源とスクリプトの両方がそろって初めて成立する練習です。書き取り用のマス目まで用意された専用教材なら、答え合わせの手順まで流れが決まっているので取りかかりやすくなります。
ステップ3:音読で「聞ける音」を増やす
自分が発音できる音は聞き取れるようになります。つまり、音読はリスニング力を高めるための強力なトレーニングです。
スクリプトを見ながら音声に合わせて音読する「オーバーラッピング」から始め、慣れてきたらスクリプトなしで音声に続けて発話する「シャドーイング」にステップアップしましょう。
ステップ4:スラッシュリーディングで前から理解する
リスニングでは英語は前から順番に流れてきます。返り読みはできません。英文を前から順に、意味のかたまりごとに理解する練習をしておくと、聞いた順番で内容を処理できるようになります。
普段のリーディングでもスラッシュリーディングを取り入れて、英語を「前から理解する」クセをつけましょう。
ステップ5:実戦形式の問題を解く
基礎力がついてきたら、高校入試のリスニング問題や英検の音声を使って実戦練習をしましょう。問題を解くだけでなく、間違えた問題のスクリプトを確認して「なぜ聞き取れなかったか」を分析することが大切です。
英検の級別リスニング問題集なら、音源とスクリプトと解説が1冊にまとまっています。中学生の場合は3級から手をつける人が多く、入試のリスニングとも出題の雰囲気が近い部分があります。

毎日の学習に取り入れやすいリスニング練習法
教科書の音声を毎日聞く
まずは教科書の音声を毎日聞く習慣をつけましょう。一度習った単元の音声を繰り返し聞くだけでも、英語のリズムやイントネーションが耳に馴染んでいきます。通学中やお風呂の時間に聞くのもおすすめです。
移動中に聞くなら、音が途切れにくい有線タイプのイヤホンが扱いやすいです。マイク付きのものを選んでおけば、オンライン授業やスピーキング練習にもそのまま使えます。
NHKのラジオ英語講座を活用する
NHKの「中学生の基礎英語」シリーズは、中学生のレベルにぴったりのリスニング教材です。毎日15分の番組で、無料で質の高いリスニング練習ができます。アプリでも聞けるので、自分のタイミングで取り組めます。
英語の動画やポッドキャストを聞く
好きな話題の英語コンテンツを聞くことで、楽しみながらリスニング力を伸ばせます。最初は字幕付きで内容を把握してから、字幕なしで聞き直す方法がおすすめです。
リスニングのテスト対策のコツ
先読みを活用する
リスニングテストでは、音声が流れる前に設問や選択肢に目を通す時間があります。この「先読み」を徹底するだけで正答率は大きく上がります。選択肢から「どんな内容が流れてくるか」を予測しておくと、聞き取りに集中しやすくなります。
メモを取る
数字、日時、場所、人名などのキーワードは、聞こえたらすぐにメモしましょう。記憶だけに頼ると、2回目の放送までに忘れてしまうことがあります。
わからない問題に引きずられない
聞き取れなかった問題があっても、すぐに気持ちを切り替えて次の問題に集中しましょう。1問にこだわって次の問題を聞き逃すのが、リスニングテストでもっとも避けたいパターンです。
- 毎日10〜15分のリスニング練習を続けることが上達の近道
- ただ聞くだけの「聞き流し」は効果が薄い。意識的に聞く
- 間違えた問題は必ずスクリプトで確認して原因を特定する

よくある質問
Q. リスニングはどのくらいで伸びる?
正しい方法で毎日15分練習すれば、1〜2か月で変化を実感できるようになります。特にディクテーションとシャドーイングを続けると、聞き取れる単語が目に見えて増えていきます。
Q. 洋楽を聞くのはリスニング練習になる?
英語に親しむきっかけとしては良いですが、歌は省略や崩しが多いため、テスト対策としてのリスニング練習には向きません。練習には教科書の音声や英検のリスニング音源など、明瞭な発音の教材を使いましょう。
Q. 英検のリスニングと高校入試のリスニング、対策は同じ?
基本的なリスニング力は共通ですが、出題形式が異なります。英検は対話や説明文の内容理解が中心、高校入試は日常会話や案内放送の聞き取りが多い傾向です。両方の過去問に触れて形式に慣れておきましょう。
入試側の対策としては、都道府県ごとの出題形式に合わせた高校入試向けのリスニング問題集があります。放送の回数や設問の並びまで本番に近い形で練習できます。
リスニング力を伸ばすために避けたいNG勉強法
BGMのように流すだけ
英語の音声をBGMのように聞き流すだけでは、リスニング力はほとんど伸びません。「何を言っているか意識して聞く」という能動的な姿勢がなければ、脳はその音声を処理せずにスルーしてしまいます。聞くときは必ず「内容を理解しよう」という意識を持ちましょう。
最初から難しい教材を使う
自分のレベルよりもはるかに難しい教材でリスニングをしても、何を言っているかわからないまま終わってしまいます。「8割は聞き取れるけど、2割が怪しい」くらいのレベルの教材が、ちょうど良い負荷です。教科書の音声から始めるのが無理なくスタートできます。
答え合わせだけして終わる
リスニング問題を解いて答え合わせをするだけでは不十分です。間違えた問題のスクリプトを確認し、「なぜ聞き取れなかったか」を分析することが上達の鍵です。知らない単語があったのか、音の変化に対応できなかったのか、速すぎたのか。原因がわかれば対策が立てられます。

Q. リスニング練習に使えるおすすめアプリは?
NHKの「NHKゴガク」アプリは無料でラジオ英語講座を聞けるので、中学生のリスニング練習に適しています。英検のリスニング対策には英検公式の過去問音声も無料で公開されているため、活用しましょう。有料のものではスタディサプリENGLISHがリスニング強化に特化した機能を持っています。どのアプリを使う場合も、「毎日10分」を続けることが大切です。
Q. リスニングのスコアがなかなか上がらないときは?
伸び悩みを感じたときは、練習方法を見直してみましょう。ディクテーションとシャドーイングをバランスよく取り入れているか確認してください。また、基本的な単語の発音を正しく覚え直すことで、聞き取れる範囲が一気に広がることもあります。
まとめ
中学生の英語リスニングを伸ばすには、正しい発音の習得→ディクテーション→音読・シャドーイング→実戦練習というステップで進めるのが効果的です。「聞き流し」ではなく、意識的に聞き取ろうとする練習を続けることが上達の鍵になります。
毎日15分のリスニング練習を習慣にするだけで、1〜2か月後には聞き取れる英語が格段に増えているはずです。今日から始めて、リスニングを得点源にしていきましょう。
参考:英音研「中学生の英語リスニング勉強法」|スタディサプリENGLISH「リスニング力を上げる勉強法」|エデュサポ「中学生のリスニング力がグンと伸びる5つのコツ」


