共通テストの英語では、リーディングとリスニングが100点ずつの配点で出題されます。つまりリスニングは英語全体の50%を占めるわけですが、対策を後回しにしている受験生は意外と多いのが実情です。
この記事では、大学受験の英語リスニングを伸ばすための具体的な方法を、基礎力の鍛え方から実践演習まで段階的に解説します。共通テストのリスニング問題の特徴も踏まえて、何をどの順番でやればいいのかが見えてくるはずです。
「リスニングはセンスがないから無理」と諦めている人ほど、正しいトレーニングで大きく伸びる可能性を秘めています。この記事をきっかけに、対策をスタートしてみてください。

共通テストの英語リスニングの特徴を知ろう
配点とリーディングとの比率
共通テストの英語は「リーディング100点+リスニング100点」の計200点構成です。ただし、大学によってはリスニングとリーディングの配点比率を独自に変えているケースもあるため、志望校の配点を事前に確認しておくことが大切です。
音声が1回のみの問題が多い
第1問と第2問は音声が2回流れますが、第3問から第6問は1回のみです。配点で見ると全体の約60%が1回読みの問題になるため、一発で聞き取る集中力と情報処理能力が求められます。これが共通テストリスニングの難しさの核心です。
図表やワークシートとの照合が必要
共通テストでは、音声を聞きながら図表やワークシートの情報と照合して判断する問題が出題されます。純粋な聞き取り能力だけでなく、視覚情報と聴覚情報を同時に処理するマルチタスク能力が問われるのが特徴です。
共通テストのリスニングでは、聞こえた英文をそのまま選ぶだけでなく、内容を要約・推測して答える問題も出題されます。「聞き取る力」と「考える力」の両方が必要です。
リスニング力を鍛える基本トレーニング
シャドーイングで音のつながりに慣れる
シャドーイングとは、聞こえた英文をほぼ同時に口に出して繰り返すトレーニングです。英語特有の音のつながり(リンキング)や音の脱落(リダクション)に自然と慣れていく効果があります。最初はスクリプトを見ながらでOK。慣れてきたらスクリプトなしで挑戦しましょう。
ディクテーションで弱点を洗い出す
ディクテーションは、聞こえた英文を書き取るトレーニングです。書き取れなかった部分=聞き取れていない部分なので、自分の弱点が一目瞭然になります。全文を書く必要はなく、苦手な箇所だけ集中的にやるのも効果的です。
音読で「知っている単語」を「聞き取れる単語」にする
リスニングが苦手な人にありがちなのが、「読めばわかるのに聞くとわからない」というパターン。これは、単語を文字では知っていても正しい音で認識できていないことが原因です。音読を繰り返すことで、文字と音のギャップを埋められます。
語彙と文法の基礎固めも忘れずに
そもそも知らない単語は聞き取れません。英検準2級〜2級レベルの語彙と文法をインプットすることが、リスニング力の土台になります。遅くとも高2の夏までにはこのレベルを一通り終えておくのが理想です。

共通テスト対策に効くリスニング勉強法
先読みテクニックを身につける
共通テストのリスニングでは、音声が流れる前に選択肢や図表を先読みする時間が設けられています。この先読みの精度が点数を大きく左右するといっても過言ではありません。選択肢の違いに注目し、「何が問われそうか」を予測した上で音声を聞くことで、正答率が格段に上がります。
パート別の対策ポイント
第1問・第2問(2回読み)は、短い英文の聞き取りや応答文の選択が中心です。ここでは正確に聞き取る力が求められます。第3問以降(1回読み)は、長めの対話やモノローグを聞いて情報を整理する力が重要。メモを取りながら聞く練習をしておくと本番で役立ちます。
過去問演習は時間を計って実施する
本番と同じ条件で過去問を解く練習は欠かせません。特に1回読みの問題は、聞き逃した場合のリカバリーが効かないため、集中力を維持するトレーニングとして実戦形式の演習を繰り返しましょう。
間違えた問題の復習方法
間違えた問題はスクリプトを確認し、「なぜ聞き取れなかったのか」を分析します。原因は大きく3つに分かれます。①単語を知らなかった ②音のつながりで聞き取れなかった ③内容は聞き取れたが設問の意図を読み間違えた。原因ごとに対策方法が異なるため、分析することが成長の鍵になります。
リスニングの勉強で「ただ聞き流すだけ」は効果が限定的です。意識的に聞く(アクティブリスニング)ことが上達のポイント。BGMのように流しているだけでは点数にはつながりにくいです。
日常的にリスニング力を伸ばす習慣
英語のポッドキャストやニュースを活用する
NHK World-JapanやBBC Learning Englishなど、無料で聞ける英語メディアを日常的に活用しましょう。いきなり難しい素材に手を出すよりも、7〜8割理解できるレベルの素材を選ぶのがポイントです。理解度が低すぎる素材は挫折の原因になります。
洋楽や海外ドラマも活用できる
好きな洋楽の歌詞を聞き取る練習や、海外ドラマを英語字幕で観ることもリスニング力の向上に役立ちます。ただし、これはあくまで「英語の音に慣れる」ためのサブ的なトレーニング。メインの対策は教材を使った体系的な学習にしましょう。
毎日のルーティンに組み込む
リスニングは「まとめてやる」よりも「毎日少しずつ」の方が伸びやすい科目です。通学中の電車やバスの中、夜の寝る前の15分など、生活の中にリスニングの時間を組み込む工夫をしてみてください。

リスニング対策でよくある質問
Q. リスニング対策はいつから始めるべき?
遅くとも高2の後半からは意識的に取り組みたいところです。高2の夏までに英検準2級〜2級レベルの語彙・文法のインプットを終え、高2の秋から本格的にシャドーイングやディクテーションに取り組むのが理想的なスケジュールです。
Q. スマホのアプリで対策できる?
リスニング練習に使えるアプリは多数あります。ただし、アプリだけで完結させるよりも、共通テスト形式の問題演習と組み合わせて使うのが効果的です。アプリは「日常のリスニング習慣を作るツール」として活用するのがおすすめです。
Q. リスニングが全然聞き取れない場合はどうすればいい?
まずは原因を特定しましょう。単語力が足りないのか、音の変化について行けないのか、速さに追いつけないのか。原因によって対策が変わります。「何もかも聞き取れない」という場合は、中学レベルの短い英文の聞き取りから始めて、段階的にレベルを上げていく方法がおすすめです。
Q. イヤホンとスピーカー、どっちで練習すべき?
共通テストの本番はICプレーヤー(イヤホン)で音声を聞きます。したがって、練習もイヤホンで行うのが本番に近い環境です。ただし、シャドーイングの際はスピーカーの方がやりやすいこともあるため、練習内容に応じて使い分けましょう。
まとめ|リスニングは毎日のトレーニングで着実に伸びる
大学受験の英語リスニングは、正しい方法でトレーニングを積めば着実に伸びる分野です。共通テストでの配点比率が高い以上、リスニング対策を後回しにするのは得策ではありません。
シャドーイング・ディクテーション・音読の3つを柱に、毎日少しずつでもトレーニングを続けていくことが成功への近道です。過去問演習で実戦力を磨き、先読みテクニックを身につければ、共通テストのリスニングで高得点を狙えるようになります。
英語リスニング対策のQ&A(補足)
Q. リスニングの勉強にどれくらいの時間をかけるべき?
理想は毎日15〜20分のリスニングトレーニングを習慣にすることです。まとまった時間が取れなくても、通学中の10分+寝る前の10分で合計20分を確保できれば十分効果が出ます。大切なのは量よりも頻度で、週に1回まとめて2時間やるよりも、毎日短時間を継続するほうがリスニング力は伸びやすいです。
Q. シャドーイングのやり方がいまいちわからないのですが…
シャドーイングは「聞こえた英文を0.5〜1秒遅れで追いかけて声に出す」トレーニングです。最初は短い英文(10語以内)で練習し、慣れたら長い文に挑戦します。スクリプトを見ながらでOKなので、まずは「音を正確にマネする」ことに集中してください。慣れてきたらスクリプトを見ずに行う「プロソディ・シャドーイング」に移行すると、本番での聞き取り精度が格段に上がります。
Q. 共通テスト以外の個別試験でもリスニングは出題されますか?
大学の個別試験(二次試験)でリスニングが出題されるケースは多くありませんが、東京外国語大学やICUなど一部の大学では独自のリスニング試験が課されます。志望校の過去問を確認し、リスニングの出題有無と配点を事前にチェックしておきましょう。出題される場合は、共通テストよりも長い英文やナチュラルスピードへの対応が求められることが多いです。
英検の対策を通じてリスニング力を鍛えたい方は、英検2級の勉強法|合格戦略を丁寧に解説もあわせて参考にしてみてください。
大学受験全般の参考書選びについては、大学受験の参考書おすすめルート|科目別の積み上げ戦略を解説で詳しくまとめています。


